ゲンロン カオス*ラウンジ新芸術校 第1期生選抜展 vol.3

井戸博章・鈴木薫二人展『本郷―Boston』

「これじゃあ、勝てるわけない」。
戦時中、本郷に住んでいた21歳の叔母・川田みち（1924-2014）はそう思ったそうだ。東京大空襲の後、米軍は空から支援物資を落としていったという。
晩年、叔母は認知症になり、事実を確かめることもできなくなってしまった。介護施設に入る前日、その時は珍しくしっかりした口調で「大事なものだから、これを」と私に託した。それがこのヨードチンキのアンプルである。「IODINE SWAB」（ヨウ素綿棒）「MASS.BOSTON」と記されている。叔母はこのアンプルに戦争の終わり/戦後の始まりを見たからこそ、ずっと大切に保管してきたのかもしれない。戦後はこのまま続いていくのだろうか。今の空気に戦前の匂いを感じる人もいる。
甥である鈴木薫が主に「本郷ーボストン」という場所の水平軸を、井戸博章が「過去ー現在ー未来」という時間の垂直軸を紡いでいく。

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カオス*ラウンジが活動拠点とする「ゲンロン カオス*ラウンジ五反田アトリエ」（株式会社ゲンロンとの共同アトリエ）で、若手作家を紹介する連続展覧会を開催します。

2015年からスタートした「ゲンロン カオス*ラウンジ新芸術校」第一期生のなかから５人（和田唯奈、松本しげる、弓塲勇作、井戸博章、鈴木薫）を選抜し、個展または二人展の形式で卒業生の活動をご紹介します。
また、本企画は同時期にオン・サンデーズで開催している『弓指寛治 個展「Sur-Vive !」』の関連企画でもあります。

【vol.3】
井戸博章+鈴木薫二人展『本郷―Boston』
会期：2016年8月5日(金)～10日(水)　※会期中無休
会場：ゲンロン カオス*ラウンジ五反田アトリエ
〒141-0022 東京都品川区東五反田3-17-4 糟谷ビル2F
開廊時間：15:00~20:00

【イベント】
◎オープニングレセプション
8月5日(金)18:00~22:00 ※ワンドリンク制

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〈開催中〉
【vol.2】
弓塲勇作・松本しげる二人展『現実の鍋』
会期：2016年7月29日(金)～8月3日(水)　※会期中無休

〈終了しました〉
【vol.1】
和田唯奈個展『和田唯奈のおたんじょうびパーティー』
会期：2016年7月22日(金)～27日(水)