弓指寛治 個展「Sur-Vive!」 開催のお知らせ
2016年7月15日 – 3:05 PM

ゲンロン カオスラウンジ新芸術校 第一期最優秀者デビュー展示
弓指寛治 個展「Sur-Vive!」

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弓指寛治 Yumisashi Kanji
三重県伊勢市出身。名古屋学芸大学大学院メディア造形学部修士過程修了。院修了と同時に起業。学生時代の友人4人と名古屋で映像制作会社【株式会社M304】を設立。代表取締役として非常にがんばる。5年間アリの様に働き何とか事業を軌道に乗せる。乗せたと思っている。2013年9月より代表取締役を辞任し作家活動に力を入れる為、単身東京へ。2015年4月からゲンロンカオス*ラウンジ新芸術校に参加。2015年10月23日、母が自死。2016年2月ゲンロンカオス*ラウンジ新芸術校成果展「先制第一撃」にて金賞受賞。

母の自殺によって全てが一変してしまいました。
母の自殺、また自殺によって発動する呪いについて今日も考えています。
僕は母やすべての哀しい自殺者を救う為だけに作品を制作していきます。
宗教でもセラピーでも疑似宗教でも無く
芸術だけがそれを引き受けることが出来ると思ってやってます。

 

展覧会について
2015年からスタートした新しい現代美術の学校「ゲンロン カオス*ラウンジ新芸術校」第一期の最優秀者である弓指寛治の個展を開催いたします。

弓指は、「ゲンロン カオス*ラウンジ新芸術校」の成果展覧会に出品した巨大な絵画《挽歌》で金賞を受賞しました。《挽歌》は、弓指自身の母親の自死がモチーフとなっていますが、巨大な鳥とサソリが、弓指の故郷である伊勢の風景のなかで対峙するという寓話的な表象で描かれています。
弓指は、母親の自死という過酷で私的な出来事を、絵画にすることによって普遍的なテーマに昇華しようと模索し続けています。身近な人間の不条理な死によって、突然取り残されてしまった人間が、いかにして生き続けるか。それは、「祈り」や「鎮魂」「救済」といった根源的なテーマに限りなく接近してゆきます。

弓指寛治という新しい才能のデビューとして、そして「ゲンロン カオス*ラウンジ新芸術校」という新たな美術教育プログラムの最初の成果として、ご注目下さい。
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みどころ
本展では《挽歌》に新作4点を加えて、より具体的でありつつ寓話的、抽象的であるような「身近な人間の死後の世界」を描き出します。また、会場の一部には「ゲンロン カオス*ラウンジ新芸術校」の活動を紹介するコーナーを設けます。

また、今回展示される弓指の絵画作品はすべて販売されます。この機会に、ご自身の目を信じてアートコレクターへの第一歩を踏み出してみたい方には最適です。小さなオブジェや鳥の小物、エディションなどもご用意しましたので、気軽なアーティスト・グッズの収集もお楽しみください。

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本展のための特別企画として、小説家・海猫沢めろんとのコラボレーションを行いました。弓指がテーマとしている「母親の自死」というきわめて個人的な経験を、海猫沢がヒアリングした上で、短編小説『虚宮』として描き下ろしました。
作家本人にとって身近で切実であるために、あまりにも私小説的で閉じられた作品になってしまう、という問題を乗り越えるため、第三者による「再作品化」を試みました。海猫沢による『虚宮』は、海猫沢による新作小説であると同時に、弓指作品に対する「解説」であり、そして、弓指の私的な物語を相対化する「批評」でもあるのです(短編小説『虚宮』は、会場にて販売します)。

※『虚宮』の試し読み版を近日公開予定です。

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「ゲンロン カオス*ラウンジ新芸術校」について
「ゲンロン カオス*ラウンジ新芸術校」は、思想家・東浩紀が運営する株式会社ゲンロンが主催、美術評論家・黒瀬陽平(カオス*ラウンジ)監修の新しいアートスクールとして2015年4月に開講しました。
会田誠、北川フラム、堀浩哉、夏野剛といった豪華なゲスト講師陣を迎え、講義、ワークショップ、フィールドワークを組み合わせた独自のカリキュラムを1年間経験したのち、最後は成果展示を行ない、アーティストとしてデビューすることを目標としています。2016年度からは、アーティストとしての総合力を身につけるための「標準コース」と、アーティストとして作品を制作しながら、キュレーターとしてどのような展覧会を作るべきかをも考えるという「上級コース」の2クラスが設けられました。また、標準コースの一部の授業では課題作品の選考を行ない、作品とステートメントをネットで公開。ネット審査も導入されます。そして、成果展最優秀者は、ワタリウム美術館内のギャラリー On Sundays にて個展の開催が約束されます。
公式サイト:http://school.genron.co.jp/gcls/

 

展覧会名:ゲンロン カオス*ラウンジ新芸術校 第一期最優秀者デビュー展
弓指寛治 個展「Sur-Vive!」

会場:オン・サンデーズ地下書店 http://www.watarium.co.jp/onsundays/
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-7-6
会期:2016年7月23日(土) - 8月21日(日)
時間:11:00-20:00
主催:合同会社カオスラ/協力:株式会社ゲンロン

オープニングレセプション
2016年7月23日(土) 20:00より

トークイベント
◎「アートにとって〈死〉とはなにか」ゲスト:畑中章宏(民族学者)
8月2日(火) 20:00~22:00
◎「〈救済〉なき時代のアートをめぐって」ゲスト:堀浩哉(美術家)
8月14日(日) 20:00~22:00

各回参加費:1,500円(税込)
※ご予約のお申し込みはオン・サンデーズまで