二人の若手アーティスト、乙うたろう(こうたろう)と名もなき実昌による展覧会『jpegと幽霊』を開催します。
2014年にカオス*ラウンジからデビューした乙うたろう(1994年生れ)は、デビュー当初は、アニメキャラクターをモチーフとしたデジタルコラージュやドローイングを制作していたが、『キャラクラッシュ!』展から陶器の壺の表面にキャラクターを描くシリーズ(《つぼ美》)を開始し、注目を集める。2015年からは独学で陶芸をはじめ、支持体である壺から描かれるイメージまですべてを自分で制作するというスタイルを確立した。
乙うたろうの《つぼ美》は、壺にキャラの絵が描かれているのではなく、壺そのものがキャラクターの身体であるようにつくられている。そこでは、画像としてのキャラクターが、物質としての壺(陶器)と重ねられ、新たな身体が与えられたかのように見える。しかしそれは、収集、所有の対象としての「壺」であり、キャラクターに向けられた私たちの欲望を逆照射しているようだ。
名もなき実昌(1994年生れ)は、インターネットにおける人格や画像とアニメキャラクターの類似性をテーマとして、主にTwitter上で作品を制作・発表を続けている。ペインティングやドローイングを中心に、画像的に解体されたキャラクターが「幽霊的」に偏在するイメージを描き続けている。また、2015年から継続している「Garbage solo Exhibition」は、各地のゴミ捨て場、ゴミ箱に自身の作品を放置し、撤去されるまでを作品とするというプロジェクトである。
二人は、ある種の「キャラフィリア/フォビア」を無意識下で共有しているように見える。画像やデータとしてのキャラクターに対するこの神経症的な態度は、主に1990年以降生れの世代のアーティストに共通するものなのかもしれない。
今後を期待される若手アーティストであると同時に、「カオス*ラウンジ第2世代」とも言うべき二人の作品をぜひご覧いただきたい。
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【展覧会概要】
展覧会名:乙うたろう、名もなき実昌『jpegと幽霊』
会期:2016年10月25日(火) – 11月6日(日) ※会期中無休
会場:ゲンロン カオス*ラウンジ五反田アトリエ
〒141-0022 東京都品川区東五反田3-17-4 糟谷ビル2F
開廊時間:15:00-20:00
【イベント】
◎オープニングレセプション
10月25日(火)18:00-22:00 ※ワンドリンク制
◎トークイベント
石岡良治(批評家、表象文化・ポピュラー文化研究)×黒瀬陽平
10月30日(日)19:00-21:00(懇親会あり)
入場料:1,000円(+ワンドリンク)
定員:20名 ※要予約
(ご予約は、info[at]chaosxlounge.com または chaosloungeradio[at]gmail.com まで)